
- CodeFusion Studio™ System Plannerにより、ヘテロジニアスアーキテクチャにおけるリソースの割り当てが容易になり、コード生成が最適化されて効率が向上します。
- データ・プロビナンス・ソフトウェア開発ソリューションは、お客様にとってスタック全体にわたるデータの信頼性とトレーサビリティを確保します。
グローバル半導体企業であるアナログ・デバイセズ(NASDAQ:ADI)は本日、効率性とセキュリティを高め、顧客価値を高める新しいソリューションを備えた開発者向け製品の拡張版を発表しました。このCodeFusion Studio™System Plannerは、強化された機能を備え、市場投入までの時間を短縮し、お客様がインテリジェント・エッジ向けのイノベーションを実現できるよう支援します。新しいデータ・プロビナンス・ソフトウェア開発ソリューションは、インテリジェント・エッジで作成されたデータのトラスト・フレームワークを確立し、作成から消費または保存に至るまでデータの信頼性を維持し、その忠実性を保持します。このソリューションの早期アクセス・キットとソフトウェアのダウンロードは、 https://developer.analog.com/ から4月25日に開始されます。
アナログ・デバイセズのソフトウェア&デジタル・プラットフォーム・グループ担当シニア・バイス・プレジデントのロブ・オシャナ(Rob Oshana)は、次のように述べています。「ますます複雑化するプロセッサ、複数のチームで開発することによる新たな課題、より厳しいセキュリティ環境など、組込み開発者に求められる作業はかつてないほど複雑になっています。システム設計をより迅速かつ容易に管理し、リソースを割り当て、概念実証(POC)を迅速に行い、それらをエッジでデータの完全性が保てるように行いたいというお客様の声を何度もお聞きしました。それが、今回のCodeFusion Studio™ System Plannerとデータ・プロビナンス・ソフトウェア開発ソリューションを開発するきっかけとなりました」。
組込みデバイスは近年、処理速度、コア数、機能性、複雑性を飛躍的に向上させ、コストとスペースの削減を実現しましたが、ソフトウェア開発パイプラインの複雑さは増しています。従来の開発者ツールは往々にして、これらのパイプラインや効果的な最新システム設計の中心となる確立されたコードベースに統合するために必要な柔軟性やカスタマイズ性を持っていません。ADIのCodeFusion Studio™ System Plannerは、複雑なヘテロジニアスデバイスにおけるプロジェクト作成とリソース分割の課題の多くを解決します。
ADIのCodeFusion Studio™ System Plannerは、許可されたライセンスであるオープン・ソース・アーキテクチャを使用し、複数のコアにまたがる柔軟なプロジェクト作成と、メモリおよびペリフェラルのグラフィカルなリソース割り当てを可能にします。また、これらの製品には、特定のコアで使用されているリアルタイム・オペレーティング・システムやファームウェア・プラットフォームを認識し、コアに割り当てられたペリフェラルやメモリ・ブロックのコンテキスト・アウェア型コンフィグ設定を公開するコンフィグツールも含まれています。システム性能に関する追加の知見と、リソース割り当てを改善するためのアクセス可能なオープン・ソース・ツールにより、開発者は設計を効率的に最適化する能力を高めることができます。
さらに、System Plannerは、プラグインベースのプロジェクト作成システムを介して、開発者が必要なコードを生成できるようにします。このシステムは、コンフィグツールの共通セットの恩恵と共に、開発者に可能な限りの柔軟性を提供します。一般的なファームウェア・プラットフォーム(Zephyr RTOS、ADIのSDKなど)用のプラグイン一式がすぐに提供されます。お客様はこれらのプロジェクト作成とコンフィグ用のプラグインを自由に複製し、要件に合わせて変更することができます。このプラグイン・システムは、表面下ではテンプレート・エンジンを利用しています。静的ファイルは特定の場所の文字列を置き換えることで変更され、コード生成ロジックはJavaScriptやTypeScript関数で拡張できます。
最後に、System Plannerは、メモリ・リソースをパーティション分割し、1つまたは複数のコアにパーティションを割り当てるグラフィカル・ユーティリティを提供します。このユーティリティは、リンカ・スクリプトやDevice Treeメモリ・オーバーレイ・ファイルの生成を支援することを目的としています。ペリフェラル・ブロックは、RTOSを意識したコンフィグ設定で、グラフィカルにコアに割り当てることもできます。
CodeFusion Studio™ System Plannerに加え、ADIは、ADI Assure™ Trusted Edge Security Architectureのアップグレードを発表し、同社初のデータ・プロビナンス・ソフトウェア開発ソリューションの早期アクセス・リリースにより、お客様のデータの信頼性とトレーサビリティをライフサイクル全体にわたって確保します。
現在早期アクセスで入手可能なADIの新しいデータ・プロビナンス・ソリューションは、シグナル・チェーン・データのトラスト・フレームワークを確立し、インテリジェント・エッジで作成されたデータがその完全性、真正性を保持し、システムを通過する際にその忠実性を維持することを保証します。データ・プロビナンス・ソリューションは、セキュアなメタデータを付加することで、生成されたデータの信頼性と忠実性を高めることができます。忠実性は、データの履歴に関する情報を追加することによってもたらされます。信頼性は強力な暗号証明によって確立され、シンプルなダッシュボード表示であれ高度な機械学習モデルであれ、複雑なネットワーク上のデータの真正性と完全性をより簡単に評価することができます。
エンド・ツー・エンドの信頼を確立し、データの忠実性を高めることで、データ・プロビナンスは、より正確で安全なモデル出力と、より高い意思決定精度に導きます。即時的な適用分野としては、より信頼性の高いアルゴリズムや、本物の高品質データ上で動作するAIモデルの構築、検証済みのセンサー知見の抽出によるシグナル・チェーン出力と運用信頼性の理解向上、単純なデータの無駄の削減、完全性と真正性の証明の容易化などが挙げられます。
オシャナは次のように述べています。「アナログ・デバイセズは、開発ツールの簡素化、データの信頼性への対応といったお客様のニーズに応えているだけでなく、組込みシステムへの人工知能や機械学習モデルの統合を支援するためのソリューションを追加することにも取り組んでいます。今後数か月間でのCodeFusion Studio™ プラットフォームのさらなる拡充にご期待ください。CodeFusion Studio™プラットフォームは、お客様がインテリジェンスを組み込んだ製品をより簡単に提供できるよう支援します」。
アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(NASDAQ: ADI)は、物理的世界とデジタル世界の架け橋となり、インテリジェント・エッジでのブレークスルーを実現する、グローバルな半導体企業です。ADIは、アナログ、デジタル、そしてソフトウェアの技術を組み合わせて、工場のデジタル化、モビリティ、デジタル・ヘルスケアの進歩に寄与し、気候変動に取り組み、高い信頼で人と世界とを接続するソリューションを実現しています。2024会計年度の収益は90億ドルを超え、世界で約24,000人の従業員を擁するADIは、現代の革新者たちに「想像を超える可能性」を提供します。詳細についてはhttps://www.analog.com/jpを、またLinkedInとX(旧Twitter)もぜひご覧ください。