モーション・コントロール・アプリケーション向けの工業用の通信プロトコルとインターフェース

工業用の通信プロトコルとインターフェースは、インテリジェントなモーションを実現するために欠かせません。マシン・ツー・マシン(M2M)通信は工場に限らず、ラボ・オートメーション、オフィス・オートメーション、ロボット、更に家庭用機器でも広く使用されるようになっています。リアルタイム性に関する要件が異なれば、求められるアプローチも異なります。効率を最大化してダウンタイムを最小限に抑えるには、工業分野の多様な技術、システム、サブシステムが相互に通信し、周囲環境と通信することが重要です。

ADI Trinamic™のテクノロジは業界標準の様々な通信プロトコルとインターフェースを活用しており、非常に高い精度が求められるアプリケーションであっても、デジタル情報を完璧な物理的モーションに変換できます。

CANopen

CANopenは、元々は組み込みネットワーキング・アプリケーション用に設計された通信プロトコルおよびデバイス・プロファイル仕様です。CANopenは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)プロトコルに基づいて、ビット・タイミングやアクセプタンス・フィルタリングなど、CANハードウェアに固有のタスクをシステムからオフロードします。CANopenはタイム・クリティカルなプロセスと構成のための標準化されたプロトコルであり、CANopen製品を提供するすべてのメーカーのデバイス間での通信を可能にします。ADI TrinamicのソリューションはCANopenのDS402規格とDS301規格に準拠し、更にStallGuard™やCoolStep™などの独自の機能をサポートしています。

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CANopen over EtherCAT

CANopen over EtherCAT®(CoE)は、EtherCAT上で動作するすべてのCANopen製品をサポートするプロトコルです。サービス・データ・オブジェクトのプロトコルを直接使用することで、既存のCANopenスタックを実質的に同じまま使用できます。このインターフェースは、CANバスの代わりにEtherCATバスを使用してデータを送受信するため、広く使用されているCANopenプロトコルのメリットを活かしながら、EtherCATの高速フィールド・バス・システムを利用できます。リアルタイム要件のあるアプリケーションでCANopenを使用できるようになるため、CoEはロボティクスや産業用オートメーションだけでなく、高信頼性、高同期性、高帯域幅を必要とするその他のデバイスにも最適です。

Modbus

元々はModicon(現Schneider Electric)によって開発されたModbus®は、RS485インターフェースを介して工業用デバイスを接続するために広く利用されているデータ通信プロトコルです。通常、ほとんどのADI TrinamicモジュールはRS485用プロトコルとしてTMCL™を使用していますが、一部のモジュールが特殊なファームウェアによってModbusプロトコルをサポートしています。そのようなモジュールはリアルタイム要件を満たしません。そのため、RS485は協働ロボットや高度に同期された多軸制御などのアプリケーションには適しませんが、Modbusはシンプルであるため、独立したモータ軸を持つデバイスやコスト重視のアプリケーションで好まれるバス・システムです。

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