FAQ
ADG811 - FAQ
制御信号入力がオープンの時どうなる?
Q: 制御信号「IN」の入力がオープン状態の時には、SDの関係はON、OFFのどちらの状態になるでしょうか。
A: 制御信号にプルアップ等の処理がされていないアナログスイッチの場合は、回路のリーク電流によりHまたはLにバイアスされますが、どちらのロジックレベルになるかは不定です。
CMOSスイッチの未使用端子の処理
Q: CMOSスイッチの入出力端子処理についてお教え下さい。
スイッチをOFFに制御した状態で、ソース、あるいはドレインを未接続(オープン)、もしくは不定状態にすることは可能でしょうか? 何か悪影響がありますでしょうか?
A: スイッチをOFFのステートにした場合、DとSはともに高インピーダンス状態になります。原理的にはオープンでも回路動作に矛盾は起きませんが、高インピーダンスのアナログ入出力ピンをオープンにすることは、お勧めしておりません。静電気や他の回路からのリークなどにより、使用中に不慮の事故を起こす危険性がありますので、一般的には使用しないD,Sはともにグランドに接続しておくことを推奨しています。
電源OFF時にCMOS-SWに入力を加えると電流が流れる
Q: 電源断の場合、CMOSスイッチに電流が流れ込むようですが、対策方法はありますでしょうか?
A: 電源が入っていない状態で、スイッチ端子に電圧を加えることは素子の破壊につながります。半導体のスイッチは、機械式のものと異なり、スイッチの端子と電源の間には寄生的なダイオードが入っています。電源電圧に対してスイッチ端子の電位が逆転すると、このダイオードが、順方向にバイアスされるため、電流が流れるようになります。
オフ時のリーク電流が規定より大きい
Q: ADG811のオフ時リーク電流ですが、データシート上では、±80nA(max)となっています。 電流測定のため、アナログスイッチと電源間に直列に1kΩの抵抗を入れ、抵抗の両端の電圧を測定すると70µA相当の電圧降下があります。 データシートと大きく違うのは何故でしょうか? 他条件: 周囲温度:85℃ 電源電圧:2.5V
A: 電源電圧2.5V+0.2V(正側Toleranse)の時、ADG811のリーク電流がスペック規定されているのは、スイッチ入出力端で、0.6V~2.4Vの範囲(プラス側よりおよそ300mV下)です。電源電圧相当がかかるとこのスペックから大きく外れる可能性があります。1kΩの端子電圧を少し下げて測定してみてください。その場合でも結果が大きく変わらないようであれば、デバイスそのものがダメージを受けている可能性があります。
CMOSスイッチに電源が印加されていないときのスイッチの状態
Q: CMOSアナログスイッチの電源ピンに電圧を入力していない状態で、スイッチ入出力間の導通はありますか。 それとも不定状態でしょうか。
A: 一般的なCMOSスイッチの各ピンは、ESD保護ダイオードにより各電源(VDDとVSS)に接続されています。VDD/VSSの電源が加わっていない状態で、DやSピンに電圧が加わると、このダイオードが導通して大電流が流れ、場合によってはダメージを受けることがあります。このピンの導通ということですが、テスターなどで測定すると、このESDダイオードを通して電流が流れるので、ある抵抗値を示します。(テスターの仕様により何Ωとは言えません) アナログスイッチがスイッチとして機能するのは、電源が正常に印加されているときだけです。
なお一部のFoullt Protection機能内蔵のCMOSスイッチは、電源オフの状態でもハイインピーダンスを保ち、以降の回路を保護するものもああります。
入力同士もしくは出力同士をショートさせてもいいのか
Q: 入力もしくは出力をショートさせて使っても良いでしょうか。S1-S2-S3-S4もしくはD1-D2-D3-D4という感じです。
A: アナログスイッチの入出力は、CMOSのソースとドレインなので、一般的に(高周波デバイスを除いて)入出力の区別はありません。そのためDまたはS同士を接続しても、あるいはSとDを接続しても問題はありません。スイッチのパラレル接続、シリアル接続なども可能です。ただし複数のパッケージのデバイス同士が接続され、その電源がそれぞれ異なるタイミングでON/OFFする場合は、注意が必要です。 接続されたもの同士でダメージを与える場合があります。