FAQ
AD8630 - FAQ
OPアンプの低温保存、動作温度
Q: オペアンプの保存温度はSpace Level Productsが最も温度範囲が広いのかと思いますが、低温での保存温度は–60℃からになっています。もっと保存温度の低いオペアンプはありますか。 またセラミックパッケージを使えば、–55℃から動作温度が保証されていますが、もっと動作温度の低いオペアンプはありますか。
A: パッケージにも因りますが一般的なアンプの保存温度は–65℃までで、これ以下の製品はありません。 また動作温度範囲は–55℃までで、これ以下の温度での動作を保証する製品はありません。
容量負荷に強いアンプは?
Q: OPアンプによりアナログ信号を差動出力で伝送する回路を検討しています。伝送路のケーブルが長く、静電容量を0.5µ以下と想定しており、容量負荷がドライブ出来るOPアンプを探しています。微小電圧(±0.1mV~±10V)でDC付近(DC~100Hz)の信号帯域を扱うので、低雑音で高精度タイプが理想です。 精度と雑音はデータシートより目安が把握できますが、容量ドライブの許容値については見極めることが出来ませんでした。 容量ドライブを得意とするシリーズなどがありますか。
A: 容量性負荷を駆動可能なアンプとしては、シングルならAD817やAD847、デュアルならAD826やAD828があります。これらはOP270のように低オフセット電圧ではありませんので、オフセット電圧が問題となる用途では、これらのアンプを高精度アンプの出力バッファとして使用して、オフセットの影響を補正できるような回路構成とする必要があります。
IC内蔵保護回路
Q: OPアンプ出力端子のIC内蔵保護回路を教えてください。
A: 汎用OPアンプICにつきましては、入出力あるいは電源ピンなどの区別なく、全ピンにESDプロテクション・ダイオードが挿入されております。 これは寄生ダイオードではなく、各ピンをESDから保護するために付けられたもので、ジャンクション・アイソレーション・タイプのプロセスに見られるサブストレート起因の寄生トランジスタと異なるものです。アンプ出力端子にも、このESDプロテクション・ダイオードは接続されております。このダイオードは、一般的にサージ電圧・電流から素子を保護する目的があり、定常的に入力をクランプするためのものではありません。
オペアンプの電源の片方がオフになると出力は?
Q: ± オペアンプを±5.0Vの両電源で使用しているのですが、回路の不具合により、電源電圧の片方がGND、またはHi-Z(OPEN)となった場合、オペアンプの出力もHi-z、またはGNDになるのでしょうか?また、両電源GND,Hi-zになった場合も同様にオペアンプの出力もHi-z、またはGNDになるのでしょうか?
A: 両電源動作のアンプの片方の電源がオープンになった場合、アンプの電源電流によりもう一方の電源から電流が流れるために、オープンの電源端子が接続されている電源でバイアスされます。 これにより入出力端子の電位が電源電圧の範囲を超えると、電源から入出力間で電流が流れてしまう可能性があります。両電源ともオープンの場合には、電流は流れませんが、電源端子にカップリングのコンデンサが接続されている場合には、このコンデンサをチャージする電流が入力端子から入出力される可能性があります。また両電源ともGNDの場合には、入力に加わる電位が±0.3Vを超えない限り、電流はほとんど流れません。
オペアンプの自己消費電流は?
Q: オペアンプのデータシートで、電源電流ISYはどこを測定しているのでしょうか? 両電源それぞれISY[A]流れているのでしょうか?
A: アンプの電源電流は無負荷にて規定されておりますので、入力のバイアス電流の影響が無いと仮定した場合、+-電源に流れる電流値は同じ値となります。
両電源アンプを片電源で、あるいは片電源アンプを両電源で
使用できるでしょうか。
Q: ±15V電源のOPアンプを片電源で使用できるでしょうか。またその逆に単電源のOPアンプは両電源で使用できるでしょうか。
A: 可能です。例えば±15V電源のアンプを+30Vの単電源で使うことができます。ただし入力の電圧範囲が規格を越えないようにしてください。例えばこの状態で入力をグランドレベル(0V)に接続することは、レールtoレール入力で無い限りできません。逆に単電源アンプを両電源で使用することも可能です。たとえば6V単電源アンプを±3Vで使用することに問題はありません。やはり入力電圧の規格に注意してください。なおデバイスのスペックは、データシートの条件のみで保証されています。
容量負荷で出力が発振しています。
Q: AD8630ARUZをボルテージフォロワで使用していますが発振が起きている様です。負荷側としてはインピーダンスは高いのですが、ノイズ除去目的で0.1uFのコンデンサがGNDとの間に入っています。
A: AD8630はFigure 26の特性図のように容量性負荷の増加に伴いオバーシュート / アンダーシュートが増加し安定性が失われます。AD8630の出力で容量性負荷を駆動する場合はシリーズ抵抗を間に使用される事をお勧めいたします。