FAQ
AD8557 - FAQ
OPアンプを誤接続し電源を与えずに出力端子に電圧を加えてしまったが損傷してしまったか?
Q: ± オペアンプOP07に、OPアンプ電源用のDC電源と、OPアンプ出力電圧確認用のマルチメータを接続して、動作確認をしようとしたところ、接続を誤り、OPアンプの電源回路に電圧確認用マルチメータを接続し、OPアンプ出力回路にDC電源(出力電圧7V、電流リミッタ0.8A)を接続してしまいました。配線を正しく接続し直した後、OPアンプの出力を確認したところ、正常に動作しているように思われます。OPアンプOP07の電源オフ時に、OP07出力端子(6ピン)に上記電圧を与えてしまいましたが、OP07にストレスを与えていないのでしょうか?
A:
この条件は、OP07の電源端子に電圧が印加されない状態で、OPアンプの出力端子の電圧を印加したということですので、基本的には、アンプの内部に異常な電圧の印加がされたことになります。使用されています応用回路の状態によりますが、アンプの入力端子の電圧が(出力端子に印加された電圧によって)印加されるような状態の場合、OP07の絶対最大定格の「Note 1 For supply voltages less than ±22 V, the absolute maximum input voltage is equal to the supply voltage.」の条件になりますので、何らかの損傷が生じて可能性があります。ただし(あくまで一般的な話として、保証ではありませんが)、出力側への印加は、IC内部の出力段のトランジスタの耐圧、また回路内の抵抗の耐量によります。これらは、比較的丈夫に設計されます。
また、OPアンプの入力端子の抵抗を介して接続されている場合、入力端子に流れ込む電流が制限されますので、破損に至らない可能性が高まります。従って、そのような状態の場合、動作を維持している可能性が高まります。
オペアンプの電源の片方がオフになると出力は?
Q: ± オペアンプを±5.0Vの両電源で使用しているのですが、回路の不具合により、電源電圧の片方がGND、またはHi-Z(OPEN)となった場合、オペアンプの出力もHi-z、またはGNDになるのでしょうか?また、両電源GND,Hi-zになった場合も同様にオペアンプの出力もHi-z、またはGNDになるのでしょうか?
A: 両電源動作のアンプの片方の電源がオープンになった場合、アンプの電源電流によりもう一方の電源から電流が流れるために、オープンの電源端子が接続されている電源でバイアスされます。 これにより入出力端子の電位が電源電圧の範囲を超えると、電源から入出力間で電流が流れてしまう可能性があります。両電源ともオープンの場合には、電流は流れませんが、電源端子にカップリングのコンデンサが接続されている場合には、このコンデンサをチャージする電流が入力端子から入出力される可能性があります。また両電源ともGNDの場合には、入力に加わる電位が±0.3Vを超えない限り、電流はほとんど流れません。
オペアンプの自己消費電流は?
Q: オペアンプのデータシートで、電源電流ISYはどこを測定しているのでしょうか? 両電源それぞれISY[A]流れているのでしょうか?
A: アンプの電源電流は無負荷にて規定されておりますので、入力のバイアス電流の影響が無いと仮定した場合、+-電源に流れる電流値は同じ値となります。
計装アンプとシャント抵抗を使った電流計測回路の注意点
Q: 計装アンプを使用して電流をモニター出来るような回路を検討しております。 構成としては電流検出用の抵抗の両端電圧を計装アンプの入力に入れて出力をOPアンプでバッファし、ADCに入力します。 AD8226のゲインの値でも変わるとは思いますがどのくらいの差動電圧を取り出せるものなのでしょうか。 例えば抵抗両端の電圧が数mVでも正確に取る事が出来ますでしょうか。電圧が小さければゲインを高くしてもノイズ等に埋もれずに精度が出るのしょうか。
A: 計装アンプは、もともと数mVあるいはそれ以下の信号電圧(たとえば熱電対やロードセルの出力)を増幅、信号処理するためのアンプです。 したがって1mV以下の信号でも、動作条件を正しく設計してやれば正確に増幅することが可能です。 検出する電流信号の同相電位がどの位置にあるのかによりますが、ハイサイドやローサイドの電流検出であれば、アンプの入力同相電圧レンジと出力電圧の関係に注意が必要です。データシートには、電源電圧と入力同相電圧、出力電圧の関係が示されたグラフが、条件を変えて多数示されているので参考にしてください。電源電圧以内の入力信号でも、条件によっては正しく増幅、出力されないことがあります。たとえばAD8226では、±5V電源でゲイン100倍で使用した場合、入力の同相電圧が0V(グランド)の時、出力は-5Vから+5Vぐらいの電源電圧近くまでの信号を、正確に増幅できますが、同じ電源でも、同相電圧が-4Vになると出力は、-3Vから+3Vぐらいまでしか正確に扱うことはできなくなります。使用する回路とその信号レンジを考量して、動作条件を設計してください。またノイズに関しては、入力換算(RTI)のノイズと出力換算(RTO)のノイズ2種類があるの注意してください。RTIのノイズは、ゲイン倍されて出力されます。RTOのノイズは、設定ゲインに関わらず同じ価が出力の現れます。これらの値が、測定精度にどれぐらい影響するかは、ADCの入力でどれぐらいのSN比が必要かで判断します。ただし、ADC入力時に(あるいは計装アンプの出力)にフィルタリングすることで、このSN比を向上させることができます。ADCのアンチエリアス・フィルターとしても必要です。電流センス抵抗の値が非常に大きいと(数10MΩ以上であるとアンプの入力バイアス電流やその電流性ノイズが問題になりますが、通常の電流検出では、問題にならないレベルです。