FAQ/よくある質問:アイソレーション(絶縁分離)、ICOUPLER®技術、ICOUPLER®製品について
FAQ/よくある質問:アイソレーション(絶縁分離)、ICOUPLER®技術、ICOUPLER®製品について
アイソレーション(絶縁分離)、iCoupler®技術、iCoupler®製品
(2007年11月)
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- アイソレーションとは何ですか?なぜ必要なのですか?
- アイソレーションを使用するアプリケーションには、普通どのようなものがありますか?
- アイソレーションの仕様はどのように規定されるのですか?
- アイソレーション(絶縁)定格とは何ですか?
- 動作電圧または定格電源電圧とは何ですか?
- 動作電圧とアイソレーション定格にはどのような関係がありますか?
- 基本絶縁レベルと二重(または強化)絶縁レベルの違いは何ですか?
- 耐過渡性およびコモンモード除去とは何ですか?
- アイソレーション・デバイスを考慮する上で他にどのようなパラメータが必要ですか?
- アイソレーションを提供するために、これまでどのような技術が使用されてきましたか?
- フォトカプラとは何ですか?光アイソレーションとは何ですか?
- トランス・アイソレーションとは何ですか?
- 容量性アイソレーションとは何ですか?
- iCoupler技術とはどのようなものですか?
- iCoupler技術にはどんなメリットがありますか?
- iCoupler製品はどれくらいのアイソレーションを提供できますか?
- iCoupler製品はどの規制規格に準拠していますか?
- iCoupler製品は、強化絶縁に関するVDEの認証を取得していますか?
- iCoupler製品は外部磁界の影響を受けますか?
- iCoupler製品にはどのようなタイプのものがありますか?
- 当社のアプリケーションに最適なiCoupler製品はどれですか?
- iCoupler製品はどのような通信プロトコルをサポートしていますか?
- iCoupler製品の際立った特長は何ですか?
- 既存の設計でフォトカプラをiCoupler製品に置き換えることはできますか?
- iCoupler製品とインターフェース製品の違いは何ですか?
- アナログ・デバイセズはiCoupler技術を組み込んだ他の製品を提供していますか?
- iCoupler製品は鉛フリーですか?
- 新しいiCoupler製品に関する情報はどこで入手できますか?
- isoPowerとは何ですか?
- isoPowerの一般的なアプリケーションは何ですか?
- isoPowerはどのような働きをしますか?
- isoPowerにはどんなメリットがありますか?
- isoPower製品は何ワットの電力を供給できすか?
- isoPower製品にはどのようなタイプのものがありますか?
- アナログ・デバイセズのiCoupler製品の設計サポート情報はどこで入手できますか?
- iCoupler製品をアナログ・デバイセズやアナログ・デバイセズ公認の販売代理店から購入していないのですが、この場合サポートが受けられますか?
- iCoupler製品のデータシートでは何を保証していますか?
- 設計サポート用のツールやモデルにはどのようなものがありますか?
Q.アイソレーションとは何ですか?なぜ必要なのですか?
アイソレーションとは、2つの通信ポイント間に電流が流れるのを防止する手段の1つです。通常、アイソレーションは2つのケースで使用されます。1つは、機器の破壊や身体損傷の原因となる電流サージが生じる可能性があるケースです。もう1つは、異なるグラウンド電位間で相互接続が行われており、破壊的なグラウンド・ループの形成を回避する必要のあるケースです。いずれの場合も、2つのポイント間における電流の流れを防止しながらデータや電力を伝達するためにアイソレーションを使用します。
Q.アイソレーションを使用するアプリケーションには、普通どのようなものがありますか?
アイソレーションは一般に、高電圧、高速/高精度通信、長距離通信に関係するアプリケーションに使用されます。以下に、アプリケーションの一般的な例を示します。
産業用 入/出力システム
センサー・インターフェース
電源/安定化システム
モーター制御/駆動システム
計装機器
これらのアプリケーションは、下記のような広範な市場で利用されています。
医療機器通信ネットワーク
プラズマ・ディスプレイ・パネル
ハイブリッド自動車
アイソレータのアイソレーション特性は、下記を含むさまざまな方法で規定されます。
絶縁定格
動作電圧(定格電源電圧)
耐過渡性(コモンモード除去)
アイソレータがアイソレーション・バリアの片方の側をもう一方の側の高電圧からどの程度絶縁できるかは、一般に、アイソレータの絶縁定格とその最大動作電圧(または定格電源電圧)で表します。また、コモンモード過渡現象が存在する状態で、アイソレータがアイソレーション・バリアを介して信号をどれほど正しく転送し続けるかについては、その耐過渡性(またはコモンモード除去)で表します。以下に、これらの3つのパラメータを説明します。
Q.アイソレーション(絶縁)定格とは何ですか?
アイソレータの絶縁定格(テスト電圧とも呼ばれます)は、短い持続時間でのコモンモード電圧差に対して提供される保護の目安です。これは通常、60HzのRMS値に基づいて指定され、デバイスの入出力端子間に1分間継続して安全に印加できる電圧の定格を表します。アイソレーション・デバイスで一般的な絶縁定格は2.5KVRMSですが、3.75KVRMS以上の定格を持つデバイスもあります。絶縁定格は、長期間にわたって継続的にデバイスに安全に印加できる電圧を示すものではありません(この電圧は、動作電圧または定格電源電圧として示されます)。
Q.動作電圧または定格電源電圧とは何ですか?
デバイスに長期間にわたって継続的に印加できる最大定常状態電圧のことです。代表値は100~600VRMSの範囲にあります。
Q.動作電圧と絶縁定格にはどのような関係がありますか?
動作電圧とそれに必要なテスト電圧との関係は複雑です。この関係は、アプリケーション、コモンモード電圧過渡現象の値(設置カテゴリー)、環境の「清浄さ」(汚染度)、および必要な絶縁タイプ(絶縁レベル)によって決まります。IEC 1010-1(計測および制御機器の国際規格)に基づく代表的な例として、設置カテゴリーII、汚染度2、基本絶縁、300 VRMSの動作電圧を伴う計測・制御アプリケーションの場合、必要なテスト電圧は1.35 kVRMSとなります。つまり、このアプリケーションに適したアイソレーション・コンポーネントは、300 VRMS以上の定常状態コモンモード電圧差と1.35kvRMS以上の過渡的コモンモード電圧差をサポートする必要があります。動作電圧と絶縁定格の関係は、アイソレータの使用を検討している最終機器の安全規格によって決まります。
Q.基本絶縁レベルと二重(または強化)絶縁レベルの違いは何ですか?
一般に、電気的ショックに対する保護は、十分な隙間(帯電部からの物理的間隔)を確保する、あるいは2種類の絶縁レベルのいずれかを利用することによって実施します。絶縁レベルには、基本絶縁と二重(または強化)絶縁があります。必要な絶縁レベルは、接触可能部分からアース・グラウンドへの接続の有無、ならびに関係する電圧レベルによって決まります。一般に、基本絶縁を提供するアイソレータに比べて、二重(または強化)絶縁を提供するアイソレータの場合は、入力から出力までの間隔だけでなく、テスト電圧についても条件が厳しくなります。必要な絶縁レベルは、アイソレータの使用を検討している最終機器の安全規格によって決まります。
Q.耐過渡性およびコモンモード除去とは何ですか?
アイソレータの耐過渡性は、デバイスが正しい信号伝送を維持しながら、どのくらいの速さの入出力間コモンモード過渡現象に耐えることができるかを規定するものです。多くのアイソレータにはこのパラメータの規定はありませんが、5~25KV/µsの値を持つアイソレータもあります。iCoupler製品はすべて、25KV/µs以上の耐過渡性が規定されています。
Q.アイソレーション・デバイスを考慮する上で他にどのようなパラメータが必要ですか?
理想的なアイソレータとは、電力を消費せず、信号エラーが生じず、どんなタイプの入力信号でもサポートできるものです。このことから、重要な性能測定基準は次のようになります。
必要な電源電流、入力信号電流、または入力駆動電流
デバイスを通じての伝搬遅延
パルス幅歪み:信号の出力パルス幅が入力パルス幅と異なる度合い
データ・レート:デバイスがサポートできる最大信号データ・レート
電源および信号電圧の範囲:デバイスがサポートできる電圧範囲
動作温度:デバイスがサポートできる温度範囲
ユーザにとって上記の測定基準のうちどれが重要かは、使用するアプリケーションにより異なります。アプリケーションによっては、重要なパラメータとそうでないパラメータがあります。
そのほかの重要な性能特性としては、アイソレータのパワーアップ/ダウン特性、入力ノイズが存在する場合の性能、DC入力がある場合や停電後の性能があります。いずれの場合も、アイソレータの出力は正しい入力状態を適切に反映していなければなりません。
Q.アイソレーション製品にはどのような規制規格がありますか?
絶縁分離に関係する安全規格は、システムとコンポーネントのレベルで異なるほか、地域やアプリケーションによってさまざまです。次の表に示すのは、米国、欧州、および国際用としてよく使用されている一般的な規格です。
表1:アプリケーション・レベルの規格
アプリケーション |
米国 |
欧州 |
国際 |
工業 |
UL 508 |
EN 50178 |
IEC 604 |
情報技術 |
UL 1950 |
EN 60950 |
IEC 950 |
医療 |
UL 2601-1 |
EN 60601 |
IEC 601 |
計測および制御 |
UL 3111 |
EN 61010-1 |
IEC 1010-1 |
電気通信 |
UL 1459 |
EN 60950 |
IEC 950 |
家庭 |
UL 8730-1 |
EN 60065 |
IEC 65 |
表2:コンポーネント・レベルの規格
コンポーネント |
米国 |
カナダ |
欧州 |
国際 |
アイソレータ |
UL 1577 |
部品承認通達 #5 |
DIN EN60747-5-2 DIN V VDE V 0884-10 |
IEC 747-5 |
絶縁部品に直接適用される規格を表2に示します。表1の規格は、絶縁部品を使用するアプリケーションに適用されます。このようなアプリケーションを設計する際は、関連するアプリケーション・レベルの規格に準拠するように、適切な絶縁部品を選択する必要があります。ただし、アプリケーション・レベルの規格が、絶縁部品に直接適用されるわけではありません。コンポーネント・レベルでは、表2の規格のみが直接適用されます。
Q.アイソレーションを提供するために、これまでどのような技術が使用されてきましたか?
一般的なアイソレーション技術には次の3つがあります。
光トランス
容量性
これらの技術は、価格、性能、信頼性、サイズ、特性、および機能の面でそれぞれ一長一短があります。これまで最も頻繁に利用されてきたのは、フォトカプラ技術とトランス技術です。
Q.フォトカプラとは何ですか?光アイソレーションとは何ですか?
フォトカプラとは、アイソレーション・バリアを介して情報を伝送するために光を利用する、光アイソレータの一種です。通常、発光ダイオード(LED)は光を感知するレシーバ(トランジスタなど)に情報を伝送します。光アイソレータの主なメリットは、低速デジタル信号用の低価格アイソレーション・ソリューションとして幅広く使用・認知されている点です。高速デジタル・フォトカプラはコスト高になる傾向があります。フォトカプラをベースにした伝送方法は、通常、信号のDC状態が重要なアプリケーションで利用されます。LEDは時間経過とともに消耗するため、光アイソレータは通常、全寿命にわたってアプリケーションの操作性を保証するためにガードバンディングと補償を必要とします。
Q.トランス・アイソレーションとは何ですか?
トランス・アイソレーションは、アイソレーション・バリアを介して情報を伝送するためにトランス・コイルを利用します。アイソレーション・バリアの片側のトランス巻線を通る電流が変化すると、もう一方の側のトランス巻線に電流が誘導されます。トランスベースの伝達方法は通常、トランス結合に最適なAC信号(Ethernetなど)を伴うアプリケーションに使用されます。トランス・アイソレーションは高速データ・レートのシステムに有用であり、絶縁電源を提供することも可能です。ただし、トランスは一般に代替ソリューションよりもかさばります。
iCoupler技術は(下記を参照)、マイクロトランス・コイルを使用してディスクリートのトランス製品のサイズと集積化の欠点に対処したトランス・アイソレーションの一種です。
Q.容量性アイソレーションとは何ですか?
容量性アイソレーション(容量性絶縁)は、アイソレーション・バリアを介してデータ信号を結合するためにコンデンサを利用します。この方法はコスト低減につながるというメリットがありますが、同相過渡電圧に対してはかなり脆弱です。
ICoupler技術
Q.iCoupler技術とはどのようなものですか?
iCoupler技術とは、フォトカプラ技術、トランス技術、半導体技術の長所を組み合わせた、トランスベースのアイソレーション手法の1つです。マイクロトランスを半導体チップに組み込むことによって、フォトカプラの有害な特性(過度の消費電力、大きなタイミング・エラー、データ・レートの制限があります)である電気光学変換を回避しながらアイソレーションを実現します。安全機関が認定する絶縁を達成するために、トランス・コイル間には特殊な絶縁層が導入されています。トランスに共通の課題としてDC補正の実現がありますが、この補正を行うために特許取得済みの「リフレッシュ」回路を使用し、入力信号遷移がないときの正しい入力状態を出力に反映させています。
Q.iCoupler技術にはどんなメリットがありますか?
iCoupler技術は、以下の重要な5つの点でメリットがあります。
集積化(サイズ/コスト)
性能
消費電力
使いやすさ
信頼性
集積化については、iCouplerチャンネルと他の半導体機能を組み合わせたり、共通のパッケージ内で複数のiCouplerチャンネルを組み合わせたりすることが簡単にできるため、フォトカプラ実装環境に比べてサイズとコストを削減できます。性能については、フォトカプラ・コンポーネントに比べてタイミング精度が高く、優れた耐過渡性、高速のデータ・レートを提供できます。消費電力は1/10~1/50まで減らすことができ、それに伴って発熱量も低減できます。
使いやすさについては、フォトカプラ技術の抱える多くの問題点が解消されるだけでなく、新しいデザインでiCouplersアイソレータを使いやすくする新機能を備えています。フォトカプラの問題点には、広範囲にわたる電流伝達率の変化、LEDの消耗現象、それに伴うデザイン上の負担、LEDを点灯するための大電流での入力駆動(多くのフォトカプラの場合)がありますが、こうした問題をiCouplersは解消します。iCouplersが提供するその他の使いやすさとして、低い電源電圧での動作、ある電圧の入力信号を別の電圧の出力信号に変換可能なこと、電圧ベースのデジタル・インターフェースの使用、広い温度範囲での動作があります。
信頼性は、フォトカプラ内のLEDを取り除くことで実現されます。iCouplerデバイスは、標準のCMOSプロセス技術のみを使用することで他の標準のCMOS製品と同じ寿命特性を保証します。
Q.iCoupler製品はどれくらいのアイソレーションを提供できますか?
現在ほとんどのiCoupler製品は、2.5KVRMSまたは5.0KVRMSの定格絶縁を提供しています(最近発売されたADuM240xとADuM225xアイソレータは5.0KVRMSの定格絶縁を提供)。iCoupler製品がサポートする最大使用電圧は、安全認定機関とアナログ・デバイセズのテストによって評価される絶縁寿命と、製品の安全承認によって決まります。
iCoupler製品は最大で400VRMSの動作電圧をサポートし、ADuM240xとADuM225xファミリーはそれを上回る動作電圧をサポートします。
ADuM240xとADuM225xがサポートする最大動作電圧は、アイソレータ・バリアの両端のコモンモード電圧波形の特性によって決まります。これは、iCouplerの絶縁システムが波形(下図を参照)ごとに個別のストレスを受けるためです。バイポーラのAC波形の場合、最大動作電圧は、絶縁の最小寿命の条件(50年)によって決まります。他のタイプの電圧波形の場合は、最大動作電圧は安全規格承認によって制限されます。この制限は、絶縁が最小寿命50年で高電圧に耐えられる場合にも適用されます。次の表は、波形の種類に応じたADuM240xとADuM225xの最大推奨電圧をまとめたものです。
表3:ADuM240xとADuM225xの最大使用電圧
パラメータ |
最大値 |
制約 |
電圧、バイポーラ波形 |
400 VRMS (565 (VPK) |
最小寿命:50年 |
AC電圧、ユニポーラ波形 |
519 VRMS (848 (VPK) | CSA/VDE承認の最大使用電圧 |
DC電圧 | 848 VPK | CSA/VDE承認の最大使用電圧 |
Q.iCoupler製品はどの規制規格に準拠していますか?
iCoupler製品(ADuM1230以外)はすべて2.5kVRMS以上のUL絶縁定格とCSA/UL承認の400VRMSの動作電圧を提供します。各製品の承認内容と詳細をまとめた表は、www.analog.com/iCouplerSafetyでご覧いただけます。
Q.iCoupler製品は、強化絶縁に関するVDEの認証を取得していますか?
iCoupler製品は、強化絶縁に関するVDEの認証を取得しています。デジタル・アイソレータiCouplerファミリーなどの磁気カプラを対象にした強化絶縁に関するVDE規格は、最近までありませんでした。しかし、VDEは2006年12月にDIN V VDE V 0884-10(VDE V 0884-10)を発表し、iCoupler製品はこの規格テストを問題なく終えています。各iCouplerの認定規格や認定条件(動作電圧、絶縁定格)の詳細については、www.analog.com/iCouplerSafetyをご覧ください。
Q.iCoupler製品は外部磁界の影響を受けますか?
外部の磁界が極端に強くなく、高周波の磁界でなければその影響は受けません。iCouplerデバイス内で使用されるトランスは一般に直径が約0.5mmなので、磁界の変化速度が相当速くないと性能エラーを引き起こすような大きな電圧は誘導されません。たとえば、1MHzの電流が流れている線とiCouplerトランスとの距離が5mmの場合、電流の大きさが500AないとiCouplerの性能が悪影響を受けることはありません(この分析については、iCouplerデータシートの「アプリケーション」の項を参照してください)。
ICoupler 製品
Q.iCoupler製品にはどのようなタイプのものがありますか?
アナログ・デバイセズが提供する iCoupler製品には、さまざまなチャンネル構成と性能レベルがあります。製品には2.5kVRMS / 5.0kVRMSのシングル・チャンネル・アイソレータ、デュアル・チャンネル・アイソレータ、トリプル・チャンネル・アイソレータ、クワッド・チャンネル・アイソレータがあり、それぞれ異なる性能と価格で提供されています。ほかにも、以下の機能を備えた製品を提供しています。
- 高速(150Mbps)クワッド・アイソレータ (ADuM344x)
- 出力のデフォルトによりがロジック・ローとなる出力またはプログラマブルなデフォルト出力設定可(ADuM1210, ADuM131x, ADuM141x)
- EOS/ESD耐性の向上(ADuM3100, ADuM320x, ADuM330x, ADuM340x)
- 絶縁電源内蔵(下記のisoPowerを参照) (ADuM524x)
- デュアル・ゲート・ドライバおよびクワッド・ゲート・ドライバ(ADuM1233, ADuM1234)
- I2C (ADuM125x, ADuM225x)
- RS-485 (ADM2483, ADM2485, ADM2486, ADM2490E)
- シグマ・デルタ(ΣΔ)モジュレータ (AD7400, AD7401)
最新の全セレクション・テーブル、およびiCoupler製品の詳細については、iCouplerのウェブサイトをご覧ください。
Q.当社のアプリケーションに最適なiCoupler製品はどれですか?
個々のアプリケーションはそれぞれ性質が異なるので、製品はお客様に選択していただくことになります。最新の全セレクション・テーブル、およびiCoupler製品の詳細については、iCouplerのウェブサイトをご覧ください。その他の細かい点については、アナログ・デバイセズの販売代理店にご相談ください。
Q.Coupler製品はどのような通信プロトコルをサポートしていますか?
iCoupler製品はほとんどの標準通信プロトコルに対応していますが、通信の整合性を確保するために追加のコンポーネントが必要になる場合もあります。ADuM1401などは、クロック、データ入力、データ出力、およびセレクトに4チャンネルを必要とするSPIに最適です。
ADuM125xおよびADuM225xは、I2C、PMBus、SMBusの各プロトコルに準拠した製品です。
ADM2483、ADM2485、ADM2486、ADM2490Eは、完全に絶縁されたRS-485対応製品です。
Q.iCoupler製品の際立った特長は何ですか?
iCoupler製品の際立った特長としては、コストやサイズの最適化、高速の信号データ・レート、極端に低い電源電流での動作などがあります。iCoupler製品は複数のチャンネルを集積しているため他社の競合製品よりも価格やサイズの面で優れており、絶縁電源などの機能も提供します。
最大100MbpsのNRZデータ・レートをサポートしているADuM1100などは、速度や消費電力の点でメリットがあります。必要な電源電流は信号データ・レートによって決まります。この電流の範囲は、0.34mA(3.3V電源で1Mbps)~16.8mA(5V電源で100Mbps)です。比較のために記載すると、上述のフォトカプラの場合、信号データ・レートに関係なく19mAが必要です。
iCoupler製品は最大動作温度が125℃で、3.3Vまたは5V電源で動作できます。標準デジタル・インターフェースとの互換性を提供する高集積ドライバ回路が内蔵されているのも、ユーザにとっては大きなメリットです。
Q.既存の設計でフォトカプラをiCoupler製品に置き換えることはできますか?
ほとんどの場合、任意のアプリケーションでiCoupler製品をフォトカプラの代わりに使用すると、高性能、低コスト、スペースの節約を実現でき、品質や信頼性が改善されます。アナログ・デバイセズの製品には業界標準のフォトカプラとのピン互換性を備えているものもあります。たとえば、アナログ・デバイセズの最初のiCoupler製品AduM1100は、高速デジタル絶縁を必要とするアプリケーション向けのシングルチャンネル・デジタル・アイソレータですが、この製品はAgilent Technologiesのフォトカプラ製品HCPL-0710、-0720、-0721、-0723とフットプリント互換性およびピン互換性があり、これらのフォトカプラ・デバイスよりも性能、消費電力、およびコストの面で優れています。
他のすべての製品については、iCouplerのウェブサイトのセレクション・テーブルをもとに、適切な製品をお選びください。 その他の点については、弊社のウェブサイトをご覧になるか、弊社または弊社公認の販売代理店にご相談ください。
Q.iCoupler製品とインターフェース製品の違いは何ですか?
iCouplerアイソレーション製品は、従来のインターフェース製品のサブセットです。通常、iCoupler製品は広範囲のアプリケーションに適用できますが、特定インターフェース専用の製品は適用範囲が限定されます(RS-232またはRS-485など)。また、特定インターフェース専用の製品にはアイソレーションが不要なものもあります。(一般的にはこのようなインターフェースにも一定レベルのアイソレーションが必要です。)アナログ・デバイセズの提供するさまざまなインターフェース製品には、完全な集積ソリューションを提供するためにiCoupler技術を組み込んだものもあります(下記を参照)。
Q.アナログ・デバイセズはiCoupler技術を組み込んだ他の製品を提供していますか?
iCoupler技術の大きな利点は、広範囲の製品にアイソレーションを集積できることです。他の製品にiCouplerアイソレーションを集積することで設計の簡素化、BOMの低減、コストの削減、サイズの縮小化、および信頼性の向上を実現できます。
ADM2483、ADM2485、ADM2486およびADM2490EはiCoupler技術を使用したRS-485トランシーバで、AD7400およびAD7401はiCoupler技術を使用した絶縁型ΣΔ A/Dコンバータです。弊社は、iCoupler技術によってアイソレーションを集積した新しい製品をリリースする予定です。
Q.iCoupler製品は鉛フリーですか?
iCoupler製品はすべて鉛フリーです。
Q.新しいiCoupler製品に関する情報はどこで入手できますか?
新製品に関する最新情報については、iCouplerのウェブサイト ご覧ください。 また、季刊のニュースレター「Analog Devices' Digital Isolation Update」も発行しています。 このニュースレターには、新製品の紹介のほか、ニュース、アプリケーションのヒント、iCoupler技術についての技術情報が記載されています。「Analog Devices' Digital Isolation Update」の購読方法については、eニュースレターの購読ページをご覧ください。
Q.isoPowerとは何ですか?
isoPowerは、高集積のDC/DCコンバータを介してシステムに絶縁電源を提供するためにiCoupler技術を利用する、アナログ・デバイセズの回路技術です。
Q.isoPowerの一般的なアプリケーションは何ですか?
isoPowerは、システムの主電源から絶縁した低レベル電源を必要とするアプリケーションに最適です。これには下記のアプリケーションがあります。
Q.ファクトリ・オートメーション機 二次制御電源 医療システム isoPowerはどのような働きをしますか?
isoPowerは、iCoupler製品で使用される技術と同じ基礎技術を使用しています。完全集積型のスイッチング電源に相当するデバイス内で集積型のトランス・コイルを使用します。内蔵の制御回路により、出力電源は安定したものとなります。iCoupler技術を使用すれば、isoPowerを標準のiCoupler設計と組み合わせて絶縁電源や絶縁信号を含む完全な集積ソリューションを作成できます。
Q.isoPowerにはどんなメリットがありますか?
システム設計者にとっては次のようなメリットがあります。
コストの削減 面積の低減 市場化期間の短縮 システム内の複数の個別部品を集積型DC/DCコンバータに置き換えることができるため、サイズや設計の複雑さを軽減できます。その結果、市場化までの期間の短縮が可能となります。
isoPowerのメリットは、費用効果の高い局所化された小型絶縁電源を必要とするアプリケーションで最大限活用できます。
Q.isoPower製品は何ワットの電力を提供しますか?
アナログ・デバイセズの最初のisoPower製品(ADuM5240/5241/5242)は、8ピンSOICパッケージで50mWの絶縁電力を提供します。今後は、市場ニーズに合わせた高電力を提供する製品を予定しています。iCouplerのウェブサイトのセレクション・テーブルを参照してください。
Q.現在どのようなisoPower製品が生産されていますか?
isoPowerを搭載した最初のiCoupler製品であるADuM524xは、2007年に発売されました。これは、デュアルチャンネル・アイソレータのファミリーで、50mW(5V/10mA)の安定化調整絶縁電源を備えています。今後発売するisoPower搭載iCoupler製品では、データ・チャンネル数や提供電力を増やし、5V以外の電圧も提供する予定です。ADuM524x製品の詳細については、www.analog.com/ADuM524xをご覧ください。
サポート
Q.アナログ・デバイセズのiCoupler製品の設計サポート情報はどこで入手できますか?
アナログ・デバイセズの製品サポート情報は弊社ウェブサイトで入手するか、弊社の営業窓口または弊社公認の販売代理店にお尋ねください。お近くの当社販売店を含む連絡先の情報については、アナログ・デバイセズのウェブサイト内、販売拠点&販売代理店 をご覧ください。
特定の製品については、弊社ウェブサイトの検索機能を利用してその製品情報を記載したページをお探しください。製品ページには、データシート、アプリケーションノート、技術記事、サポート・ツール(モデルなど)への直接リンクがあります。
メール配信で年4回発行しているニュースレターでは、新製品情報やアプリケーションのアップデート情報などのニュースをお届けしています。ニュースレターの購読を希望される方は、eニュースレターの購読ページをご覧ください。
Q.iCoupler製品をアナログ・デバイセズやアナログ・デバイセズ公認の販売代理店から購入していないのですが、この場合サポートが受けられますか?
アナログ・デバイセズでは、弊社非公認のルートで購入された製品のサポートは行っていません。
Q.iCoupler製品のデータシートでは何を保証していますか?
アナログ・デバイセズのデータシートは厳格なルールに従って、製品が公表仕様に確実に適合するようにしています。特に記載のない限り、パラメータはすべてデータシートの「推奨動作条件」に記載された全範囲の条件で保証されます。
最小値と最大値が仕様規定されている場合、パラメータはその値内に収まることが保証されます。パラメータの代表値(typ)が記載されている場合は、ユニットの適正サイズの母集団において、半分が代表値を上回る値で残り半分が代表値を下回る値となります。代表値は保証されません。
Q.設計サポート用のツールやモデルにはどのようなものがありますか?
アナログ・デバイセズは、ほとんどのiCoupler製品でIBISモデルを提供しています。また、ほとんどの製品について評価ボードもご利用いただけます。これらのツールに関しては、関連の製品ページをご覧ください。