AD8372

AD8372は、高精度のゲイン制御、高いIP3、低ノイズ指数を備えた、デジタル制御型のデュアル可変ゲイン・アンプです(VGA)。優れた歪み性能と適度な信号帯域幅により、さまざまなマルチチャンネル・レシーバ・アプリケーションに適したゲイン制御デバイスとなります。

広い入力ダイナミック・レンジのアプリケーションに対応するために、AD8372には、41dBの広いゲイン・レンジがあります。ゲインは、双方向4ピン・シリアル・インターフェースを介してプログラムされます。シリアル・インターフェースは、チャンネルごとにクロック、ラッチ、データ入力、データ出力のラインから構成されています。

AD8372では、1本の外部抵抗を使用して出力段の相互コンダクタンスを設定できます。RXT1ピンとRXT2ピンは、バンド・ギャップによる1.56Vという安定したリファレンス電圧を供給します。一般に、グラウンドに接続した2.0kΩのシャント抵抗を使用して、最大ゲインを31dBの公称値に設定します。電流設定抵抗を調整して、各チャンネルのゲインおよび歪み性能を操作できます。これは、消費電力と歪み性能のバランスをとる必要のあるアプリケーションでは便利な機能です。

適切なロジック・レベルをENB1ピン、ENB2ピンに加えると、AD8372がパワーオンします。パワーダウン時のAD8372の消費電流は2.6mA未満であり、優れた入力／出力間絶縁が行われます。パワーダウン時もゲイン設定は維持されます。

アナログ・デバイセズの高周波BiCMOSプロセスで製造されるAD8372は、優れた歪み性能と高精度なゲイン調整機能を実現します。AD8372の静止電流は、1チャンネル当たり106mA（typ）です。AD8372アンプは、小型サイズの熱強化型5mm×5mm 32ピンLFCSPパッケージを採用し、－40～＋85℃の温度範囲で動作します。

• 差動ADCドライバ
• CMTS上流側ダイレクト・サンプリング・レシーバ
• CATVモデム信号スケーリング
• 汎用RF/IFゲイン段
• シングルエンド／差動変換