AD585

AD585はフル機能のサンプル・アンド・ホールド回路で、超低リークのアナログ・スイッチおよびFET入力集積アンプと直列に接続された高性能オペアンプで構成されます。アプリケーションの柔軟性と高精度を保証するために、ホールド・コンデンサと整合アプリケーション抵抗を内蔵しています。

優れた性能を持つAD585は、高速アクイジション時間、低サンプル-ホールド・オフセット、および低ドループを重要な条件とする高速10ビット/12ビット・データ・アクイジション・システムに最適です。AD585は、最大3μs内に0.01％の精度で信号を読み取り、オンチップのホールド・コンデンサを使って、3mVの最大サンプル-ホールド・オフセットと1mV/ms未満のドループでその信号をホールドします。これより低いドループが必要な場合は、もっと大きな外部ホールド・コンデンサを追加できます。

AD585はアパーチャ・ジッター0.5nsの高速アナログ・スイッチを採用しており、12ビット精度で、最大78KHzの周波数でフルスケール（20Vp-p）信号をサンプリングします。

AD585は、ユーザー定義の任意のフィードバック・ネットワークで使用でき、サンプル・モードで必要なゲインを提供します。オンチップの高精度薄膜抵抗により、＋1、－1、＋2のゲインが得られます。ホールド・モードの出力インピーダンスの値が十分に低いため、逐次比較型A/Dコンバータによって提供されるダイナミック負荷を駆動するときでも正確な出力信号を維持できます。出力は偶発的な短絡障害に対して保護されています。

HOLDコマンドの制御信号は、アクティブ・ハイまたはアクティブ・ローになります。適切なリファレンス・レベルが提供されていれば、このHOLD差動信号はすべてのロジック・ファミリーに適合します。TTL互換用に内部TTLリファレンス・レベルが提供されています。

AD585には、3つの性能グレードがあります。JPグレードは、0～＋70℃のコマーシャル温度範囲で仕様規定しており、20ピンPLCCパッケージで提供しています。AQグレードは、－25～＋85℃の工業温度範囲で仕様規定しており、14ピン・サーディップ・パッケージで提供しています。SQおよびSEグレードは、－55～＋125℃の軍用温度範囲で仕様規定しており、14ピン・サーディップおよび20ピンLCCパッケージで提供しています。